後遺障害事例

足関節離断性骨軟骨炎(あしかんせつりだんせいこつなんこつえん)

       117-1

       外側の前距腓靱帯が断裂して、距骨と脛骨が衝突している状態です。

 

1.足関節離断性骨軟骨炎とは

交通事故で「足関節離断性骨軟骨炎」という診断名がつくケースがあります。

足関節離断性骨軟骨炎は、足首の捻挫に伴って生じる二次的な損傷です。

受傷直後は足首に痛みを感じることが少なく、「違和感がある」という程度です。

また、足関節離断性骨軟骨炎は、骨端線が閉じる前の小中学生において、多く発症します。

 

距骨軟骨損傷」の項目でも説明しましたが、足首の内返し捻挫をして足の距骨と𦙾骨が衝突すると、衝撃によって、前距腓靱帯が部分断裂してしまうことがあります。

このとき、適切な治療が施されないと、腫れや痛みが引いたとしても、足関節に不安定性が残って、歩行や運動の際に、捻挫を繰り返しやすくなります。

内返し捻挫を繰り返していると、𦙾骨が衝突する距骨軟骨が徐々に損傷し、症状が進行すると、距骨軟骨の下の骨が壊死して軟骨が剥がれてしまうことがあります。

こうして剥がれた軟骨は、「関節遊離体」として関節の中を移動し、激痛や関節水腫の原因となりますし、関節の間に挟まって「ロッキング」という症状を引き起こす例もあります。

※関節遊離体の大きさは米粒状であり「joint mouse(関節ねずみ)」とも呼ばれます。

 

2.足関節離断性骨軟骨炎の診断と治療方法

足関節離断性骨軟骨炎を診断するときには、レントゲン断層撮影やMRI、CT撮影、骨シンチグラフィーなどにより、判断します。

治療方法は、被害者の年齢や症状の進行の程度によって異なります。

被害者が10歳前後で骨の成長期にある場合、比較的軽度の段階であれば、手術をせずに松葉杖を使って負荷を軽減し、いわゆる「免荷療法」を3ヶ月以上、実施することが多いです。

 

手術をするときには、内視鏡を使い、剥がれかけている軟骨片をピンで固定する「骨接合術」という手法や、関節鏡を使った、侵襲性の小さい「ドリリング術」などを実施します。

※ドリリングとは、穴を開けることによって血流をよくして、自然修復を目指す治療法のことです。

 

軟骨が離断した後長期間が経過してしまった場合、骨軟骨片の固定術は難しくなります。

そのようなケースでは、内視鏡を使って軟骨片を摘出し、骨軟骨移植や骨釘移植などを施して、剥がれた部分に軟骨を移植します。近年、専門医では、骨軟骨移植が行われるようになり、手術成績も向上しています。

軟骨移植をすると、定着するまで6ヶ月程度かかり、その間、スポーツなどはできません。

 

3.足関節離断性骨軟骨炎における後遺障害のポイント

3-1.医療過誤問題について

足関節離断性骨軟骨炎は、捻挫に伴う二次的損傷ですが、適切に治療を受けられなかったために悪化することもあります。

たとえば、交通事故発生後、6ヶ月以上が経過して、症状が良くならないので悩まれて、弁護士にご相談に見える方もいらっしゃいます。

このようなとき、被害者の方が主治医に不信感を抱いておられることがあり、ときには医療過誤訴訟をご希望されることもあります。

ただ、医療過誤訴訟を起こすと、2年以上の長期間がかかることが多く、その間加害者の保険会社への責任追及が緩んでしまいます。

また、医療過誤訴訟では、立証も難しくなりがちで、負担も大きくなりがちです。

そこで、医療過誤訴訟を起こすよりも先に交通事故示談を解決させ、その後に医療問題を検討されることをお勧めしています。

 

3-2.症状固定時期

次に、症状固定時期をいつにすべきかも検討しなければなりません。

足関節離断性骨軟骨炎で、保存療法によって改善を期待できるケースでは、医師とも相談してある程度の時点で症状固定して、軽度の変形性足関節症により、後遺障害127号を目指すのが良いでしょう。

今後に外科手術が予定されている場合には、手術実施後に症状固定してから後遺障害認定請求を行います。

 

3-3.後遺障害の立証方法

足関節離断性骨軟骨炎になった場合に後遺障害認定される症状は、足関節の可動域制限、疼痛、足関節不安定症です。

立証の際には、まずはMRICT、骨シンチグラフィー検査により、関節変形や軟骨損傷の程度を明らかにします。足関節の不安定症については、ストレスXP撮影を利用します。

疼痛の神経症状がある場合には1213号、関節の可動域制限や足関節不安定症の場合には127号を目指します。

 

以上のように、足関節離断性骨軟骨炎となったケースでも、後遺障害認定を受けられることがあります。交通事故に遭われてこれから後遺障害認定請求されるのであれば、福岡のアジア総合法律事務所の弁護士がサポートいたしますので、まずは一度、ご相談下さい。

当事務所では、福岡のみならず、九州、全国からご相談やご依頼を受け付けております。

当事務所には、年間約200件にのぼる交通事故・後遺障害のご相談が寄せられます。
多くは福岡県内の方ですが、県外からのご相談者もいらっしゃいます。

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