後遺障害事例

PCL 後十字靱帯損傷(ぴーしーえるこうじゅうじじんたいそんしょう)

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1.後十字靱帯損傷とは

交通事故が原因で、後十字靱帯損傷となるケースがあります。

後十字靱帯(PCL後十字靱帯)は、ACL前十字靱帯とともに膝関節の中にあり、大腿骨と𦙾骨をつないでいる靱帯です。膝関節が前後に動揺することを防止しています。

 

後十字靱帯損傷は、交通事故では、膝をダッシュボードに打ちつけて起こることが多く、「dashboard injury」と呼ばれることもあります。

車内の運転席や助手席に座っていて、膝を曲げたままの状態で交通事故に遭うと、ダッシュボードに膝を打ちつけて、𦙾骨が90°曲がったまま後ろに押しやられることがあります。すると、膝関節を痛めて、PCL後十字靱帯損傷となるのです。

 

また、後十字靱帯(PCL)のみの単独損傷は珍しく、多くのケースでは、膝蓋骨骨折や𦙾骨顆部骨折、MCL損傷を伴います。このように、さまざまな症状と合併するので、経過や治療が困難になりがちです。

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2.症状と検査方法

後十字靭帯損傷の場合、前十字靭帯損傷と比較して、自覚症状が少ないですが、自覚は小さくても、痛みや腫れが発生します。主訴としては、膝蓋骨骨折等の痛みが中心です。

 

後十字靱帯損傷の治療は、整形外科やスポーツ外来の専門医が担当します。

前十字靱帯と同様、後十字靱帯損傷の場合にも、各種のテストによって診断します。

後十字靭帯が損傷を受けると、膝がずれて動揺するので、揺れ動きの有無や程度、動き方によって膝の状態を診断します。

 

2-1posterior sagテスト

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後十字靱帯を診断するとき、posterior sagテストを実施することがあります。

これは、患者を仰向けにして、股関節を45度、膝を90度曲げる検査です。

人の膝を90度曲げると、下腿の重みによって𦙾骨が後方へと落ち込みますが、後十字靭帯断裂になっていると、𦙾骨上端を後方に押したときにぐらつきが発生します。

 

これによって後十字靱帯損傷の大まかな診断ができますが、詳細な損傷レベルを確認するためには、レントゲン写真やCTスキャン、関節造影やMRI等を実施する必要があります。中でも、特にストレスXP撮影が重要となります。

 

 

2-2.ストレスXP撮影

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交通事故で後十字靱帯損傷になったかどうかを調べるときには、𦙾骨を後方に押し出して、ストレスを与えた状態において、レントゲン撮影をします。これが、ストレスXP撮影です。

断裂していれば、𦙾骨が後方に押し出された映像が写し出されるため、診断がつきます。

 

3.治療方法

「後十字靭帯損傷」というとき、一般的には靭帯が部分断裂している状態を言います。

部分断裂で単独損傷のケースでは、大腿四頭筋訓練など、保存療法による治療で対応可能です。膝に動揺が生じている場合には、「ドンジョイ装具」を使うと効果的です。これをつけると、膝が4点で固定されるので、安定しやすいからです。自転車を漕ぐ動作を繰り返すリハビリも有効です。

 

これに対し、膝を90度曲げたときに、下腿の重みによって𦙾骨が10mm以上後方に落ち込む場合には、後十字靱帯が断裂していると判断され、再建術(外科手術)が必要です。

この再建術は、自分のハムストリング腱や膝蓋腱などを編み込んで、ボルトで留めるものであり、高度な技術を要します。

そこで、交通事故に遭って後十字靱帯損傷の手術をするときには、膝の専門医のいる信頼できる病院を探しましょう。

 

 

4PCL 後十字靱帯損傷における後遺障害のポイント

4-1.治療方法の選択について

PCL後十字靱帯損傷の場合、医学界では、現在においても、保存療法が中心です。

確かに、部分断裂のケースであれば、硬性装具の着用とハムストリングの強化により、一定程度、改善します。しかし、完全断裂の場合、保存療法では不十分なことが多いです。それでも保存的療法が推奨されることがあるのです。完全断裂しているのに保存療法を選択すると、一生、筋トレや太ももを強化するリハビリを続けなければならず、現実的ではありません。

完全断裂の根本治療は、再建術です。もしも、完全断裂しているにもかかわらず、主治医が「保存療法」を選択するようであれば、セカンドオピニオンも検討した方が良いでしょう。

 

4-2.オペの難しさ

なぜ、後十字靱帯損傷のケースで、保存療法が推奨されるのでしょうか?

それは、後十字靱帯の手術が非常に難しく、感染症などの困難なケースも予想されるからです。

実際、適切に項十字靱帯損傷の手術ができる技量を持った医師は少ないので、手術を受けるときには慎重に病院を探さねばなりません。

 

4-3.手術か症状固定か

交通事故で後十字靱帯損傷となった場合、医師が保存療法に終始したため、治療効果が上がっていない被害者の方が多いです。

この場合、手術を受けるか症状固定して後遺障害認定を受けるか、選択しなければなりません。

当事務所では、交通事故後4ヶ月以上を経過しているケースでは、すぐに手術をせずに6ヶ月を待ってから症状固定を選択することが多いです。

なぜなら、PCL後十字靱帯断裂の場合、4ヶ月を経過すると「陳旧性(慢性状態)」になってしまうからです。そのときから、再建術を実施しても、元通りになる保証はなく、リスクがあります。全く改善しないこともありますし、うまくいっても後遺障害等級が軽くなる程度で終わってしまうことが多いです。

また、再手術の費用を、加害者の保険会社が負担してくれる可能性も低いですし、手術→リハビリとなると、会社の休業期間も、さらに数ヶ月以上、延びてしまいます。すると、事実上会社に戻れなくなる方もおられます。

このような事情があるので、交通事故後一定の月数が経っている場合には、先に症状固定した方が良いこともあるのです。対応に迷われたときには、弁護士が適切な対処方法をアドバイスいたします。

 

4-4.認定される後遺障害の等級

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後十字靱帯の損傷や断裂の状態については、MRIによって立証します。

動揺性がある場合には、ストレスXP撮影を使います。健側に比べて一定の動揺性が認められ、そのことを後遺障害診断書にきっちり書き込んでもらえば、以下のとおり、後遺障害等級認定を受けられます。

無題

後十字靱帯で後遺障害を立証するには、ストレスXP撮影が重要です。これによって関節の動揺性を立証できないと、12級以上の認定は受けられません。

 

以上のように、交通事故で後十字靱帯損傷となった場合、まずは適切な治療を受け、後遺症が残ったときにはきちんと症状を立証して後遺障害認定を受けることが重要です。交通事故に遭い、これから後遺障害認定請求をしようと考えておられるならば、一度、アジア総合法律事務所の弁護士までご相談下さい。

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