後遺障害事例

橈・尺骨骨幹部骨折 (とう・しゃくこつこつかんぶこっせつ)

1. 橈骨・尺骨骨幹部骨折とは?

交通事故によって、前腕部を強打したり手を強く突いたりすると、前腕に捻れの力が加わり、橈骨(前腕骨の親指側の骨)や尺骨(前腕骨の小指側の骨)が骨折します。これを「橈骨・尺骨骨幹部骨折」といいます。

橈骨・尺骨骨幹部骨折は、橈骨または尺骨のいずれかが単独骨折するケースと、橈骨および尺骨の両方が骨折(両骨骨折)するケースとがあります。

 

2. 橈骨・尺骨骨幹部骨折の検査と治療

橈骨・尺骨骨幹部骨折の検査は、XP検査(レントゲン写真)を行います。下記の写真のとおり、素人目にも明らかに骨折していることが分かります。

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橈骨・尺骨骨幹部骨折の治療方法ですが、橈骨または尺骨の単独骨折のケースでは、ひじ上から手までをギプス固定します。この場合、およそ2か月程度で一応の骨癒合がみられますが、骨癒合がみられなかったときは癒合不全手術の選択が検討されます。

これに対し、橈骨および尺骨の両方が骨折する両骨骨折のケースでは、ギプス固定が困難であることから、当初から観血固定術(患部を切開し、スクリューやプレートを埋め込んで固定する術式)を選択したほうがよいとされています。

 

3.橈骨・尺骨骨幹部骨折の合併症

橈骨や尺骨がある前腕部は血行が乏しいことから、橈骨・尺骨骨幹部骨折に伴って阻血性拘縮を合併することがあります。

阻血性拘縮は、橈骨・尺骨の単独骨折よりも両骨骨折のケースで発生しやすいといわれています。

阻血性拘縮を放置すると、前腕の筋や神経に不可逆的な損傷が発生し、前腕部から手指までの機能が全廃となるリスクがあることから、早急に手術をし、筋や神経に対する圧力を取り除くことが推奨されます。

 

4橈骨・尺骨骨幹部骨折の後遺障害等級

橈骨・尺骨骨幹部骨折の後遺障害としては、橈骨・尺骨の一方または双方の癒合不全、前腕の回内・回外運動の制限、阻血性拘縮を合併したときの手関節の用廃や手指の機能全廃が発現することがあります。

具体的な等級は次のとおりです。

1)橈骨および尺骨の両方の骨幹部に癒合不全を残し、常に硬性補装具を必要とするときは、第79号となります。

2)橈骨および尺骨の両方の骨幹部に癒合不全を残すときは、第88号となります。

3)橈骨または尺骨のいずれか一方の骨幹部に癒合不全を残し、時々硬性補装具を必要とするときは、第88号となります。

4)橈骨および尺骨の両方に変形(15度以上屈曲して不正癒合したもの)を残すときは、第128号となります。

5)橈骨または尺骨の骨幹部に癒合不全を残すもので硬性補装具を必要としないときは、第128号となります。

6)橈骨または尺骨の骨端部のほとんどを欠損したときは、第128号となります。

7)橈骨または尺骨の直径が2分の1以下に減少したときは、第128号となります。

8)前腕の回外・回内運動制限が残り、健康な側(参考可動域角度)と比較し、4分の1以下のときは第10級、2分の1以下のときは第12級となります。

9)阻血性拘縮が合併し、手関節が用廃し、かつ手指の機能が全廃したときは、第6級となります。

 

6.最後に

交通事故によって外傷を負った場合には、症状を適切に把握して、発現した症状に応じた後遺障害の等級認定を得なければなりません。後遺障害の申請には医学的な知識やそれに基づいた立証が重要になってきますので、後遺障害の申請をお考えの方は弁護士相談をご検討ください。

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