後遺障害事例

上腕骨骨幹部骨折 (じょうわんこつこつかんぶこっせつ)

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1.上腕骨骨幹部骨折とは

交通事故に遭うと、上腕骨骨幹部骨折になるケースがあります。

これは、上腕部の長管骨の真ん中あたりの骨の骨折です。

バイク事故で、転倒の際に手や肘をついたときや、転落して直接上腕の中央に強い力が加わった場合に上腕部骨幹部骨折となるケースが多いです。

直接的な外力によって骨折した場合には横骨折することが多く、力が強いと粉砕骨折するケースもあります。交通事故で地面に手をついて倒れたケースなどでは、螺旋骨折や斜骨折する例も見られます。

上腕部骨幹部骨折の場合、関節部から遠いこともあって関節の機能障害は伴わないケースが多いです。

 

しかし、治療中に「橈骨神経」という神経が麻痺してしまうことが多いので、注意が必要です。

橈骨神経は上腕骨の骨幹部を螺旋状にまわっている神経であり、骨片に圧迫されて、麻痺が発生しやすいのです。具体的な症状としては、骨折部のはれや痛み、皮下出血、変形、異常な動きなどがあります。また、骨折した部分の上下の筋肉の力によって骨片がずれて、短縮してしまうこともあります。

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上腕を曲げると「力こぶ」ができますが、これは「上腕二頭筋」とその下側、裏側に位置する「上腕三頭筋」によるものです。上腕の筋肉のうち、約3分の2は上腕三頭筋ですが、この筋肉は、腕を伸ばす運動や、物を押す運動をするときに使われています。一方、上腕二頭筋は、腕を曲げたり、ものを引き寄せたりするときに使う筋肉です。上腕三頭筋と上腕二頭筋は、どちらか一方が縮むともう一方が伸びる構造となっており、常に対になって動いています。

しかし、橈骨神経麻痺が起こると、筋肉が正常に動かなくなり、適切に力が伝わらなくなるので、手首や指を伸ばせなくなります。この症状を下垂手(かすいしゅ)といいます。また、腕をひねって手のひらを上側へと向ける「回外運動」も不可能となります。

 

神経麻痺を調べるときには、レントゲン撮影によって骨折部位や骨折の型を確認すれば、容易に判明します。

 

2.上腕骨骨幹部骨折の治療方法

交通事故で上腕骨骨幹部骨折となった場合、治療方法は、保存療法が原則となります。交通事故による受傷直後は、患部が腫れて強い痛みが発生するので、ギプス固定が必要です。完全骨折して転位している場合などには、約2週間の間、「吊り下げギプス法」を実施します。これは、骨折部位の少し上から肘を90度に曲げ、ギプスを手まで巻いて、手首に包帯をつけて首から吊るす方法です。

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ギプスにはデメリットがあります。まず、骨が癒合するまでずっとギプスで固定していると、肩や肘の関節が拘縮する可能性が高いです。また、強固にギブス固定すると、血行障害や神経麻痺などの症状も発症する可能性があります。そこで、緩めにギプスを巻くと、今度は緩みによって骨折部が歪んでしまう可能性が出てきます。

こうしたギプスのデメリットを補うため、交通事故による受傷後23週間からは、「ファンクショナルブレース」という装具を使って固定しながら、治療を継続します。

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ファンクショナルブレースは、骨折部分の周囲の広い範囲に外からの力で圧迫するための装具です。これにより、骨折部分を安定させられます。また、骨折部以外の部分は動かせるので、肩や肘の関節が拘縮することもありません。

 

上腕骨骨幹部骨折に伴う橈骨神経麻痺は、圧迫によって一時的に発生するものであり、回復できることが多いです。そこで、まずは骨折部分を保存的に治療しながら回復を待ちましょう。回復しているかどうかについては、「針筋電図」や「神経伝導速度」などの検査をして調べられます。

 

以上に対し、上腕骨骨幹部骨折のケースでも、開放性の粉砕骨折となった重症のケースでは、プレート固定や髄内固定をするための外科手術が必要になります。

 

上腕骨骨幹部骨折した場合にも、適切な治療を受ける必要があります。交通事故で腕を負傷して予後が良くないケースでは、後遺障害が残っている可能性もあるので、一度福岡のアジア総合法律事務所の弁護士までご相談下さい。

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