後遺障害事例

フォルクマン拘縮

1.フォルクマン拘縮とは?

フォルクマン拘縮とは、前腕部におこる拘縮のことです。血流不良によって拘縮が発生することが多いことから、「阻血性拘縮」と呼ばれています。

 

骨折や脱臼により骨の位置がずれると(骨のずれを「転位」といいます)、ずれた骨が動脈を直接圧迫したり、著しくはれた筋肉が動脈を押しつぶしたりすることがあり、これらによって血の流れが悪くなる(血流不良)ことがあります。

血流不良状態を放置すると、筋肉が壊死するおそれがあることから、ずれた骨を整復するなどの必要な治療を直ちに行う必要があります。

 

2.フォルクマン拘縮の原因

フォルクマン拘縮は、ひじ周辺の骨折や脱臼の後に循環不全を起こし(コンパートメント症候群)、筋肉が壊死したり末梢神経が麻痺したりすることが原因となり、ひじから手にかけての関節が固くなったり(拘縮)、麻痺が起こったりするものです。

 

子供では上腕骨顆上骨折(じょうわんこつかじょうこっせつ)、成人では前腕部圧挫傷(ぜんわんぶあつざしょう)や前腕部骨折がきっかけとなることが多いといわれています。

 

3.フォルクマン拘縮の症状

フォルクマン拘縮の初期症状は、前腕部の著しいはれです。強い痛みを伴います。医師の間では、フォルクマン拘縮の初期症状である5P、すなわち、①pain(疼痛)、②pallor(蒼白)、 ③paresthesia(知覚障害)、④paralysis(運動麻痺)、⑤ pulselessness(脈拍消失)を見逃してはならないものとされています。

フォルクマン拘縮が進行すると、手首の脈が取れなくなったり、手指が白くなったり、痺れて動かなくなったりします。

フォルクマン拘縮の慢性期には、数本ないし全部の指が曲がって伸びなくなり、痺れなどの知覚障害が残ってしまいます。

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4.フォルクマン拘縮の検査と治療

フォルクマン拘縮の初期症状が発現したら、直ちに筋肉・神経・血管組織のコンパートメント内圧を計測します。このとき、内圧が高ければコンパートメント症候群と診断してフォルクマン拘縮を予測します。

コンパートメント内圧が高い原因は、骨折や脱臼によって骨の位置がずれて動脈を圧迫しているためです。そのため、まずは牽引整復(けんいんせいふく。骨を引っ張ってずれを戻す治療方法)を行います。

牽引整復を行っても痛みやはれが治まらないときは、できるだけ早期に前腕の手のひら側の全長にわたる筋膜を切開し、開放状態のまま放置し、筋肉内の内圧を下げます(血流不全や麻痺が落ち着くまで縫合はしません)。発症後、12時間以内の切開が推奨されます。

すでに慢性期になり、筋肉が壊死し、手指が変形状態に至ると、切開して筋肉と神経の癒着を除去したとしても元に戻ることはありません。慢性期に至ると治療は困難ですので、初期症状のうちに、できるだけ早期に適切な治療を行う必要があります。

 

5.フォルクマン拘縮の後遺障害等級

フォルクマン拘縮が進行し、手関節の用を廃する状態になれば第8級6号、手指の用を廃する状態になれば第7級7号に該当します。

手関節と手指の双方の用を廃する状態になると、本来であれば重いほうが2等級上がって準用第5級となりますが、上肢の用を廃する状態が第5級6号であることから、それよりも1等級低い準用第6級となります。

なお、ここで「用を廃する状態」とは、関節が強直(固くなって動かなくなること)したり、完全弛緩性麻痺やこれに近い状態になったり、手指の深部感覚や表在感覚が完全に脱失したりした状態のことであり、詳細な認定基準がもうけられています。

 

6.最後に

交通事故によってフォルクマン拘縮が進行した場合には、症状を適切に把握して、発現した症状に応じた後遺障害の等級認定を得なければなりません。後遺障害の申請には医学的な知識やそれに基づいた立証が重要になってきますので、後遺障害の申請をお考えの方は弁護士相談をご検討ください。

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