後遺障害事例

腓骨神経麻痺(ひこつしんけいまひ)

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   ○印は、腓骨神経断裂の好発部位です。

 

1.腓骨神経麻痺とは

交通事故により、腓骨神経を損傷するケースもあります。

腓骨神経は、下腿を走っている神経で、脛骨神経と同様に、坐骨神経から分岐しているもので、膝の外側を通って腓骨の側面を下降し、足関節を通って足指まで達しています。

 

たとえば、交通事故で膝をダッシュボードで打ちつけてしまった際などに腓骨神経麻痺が発症する例が見られます。下腿骨に脱臼や骨折がない場合でも、リハビリによっても改善できず、後遺障害認定を受けることとなるケースがあります。

 

交通事故で腓骨神経麻痺がよく起こるのは、膝の周辺や足関節の周辺です。

特に、傷病名が以下の場合、注意が必要です。

  • 膝関節の前・後十字靭帯損傷
  • 𦙾骨顆部のプラトー骨折
  • 足関節の内外果骨折等
  • 下腿骨の遠位端骨折

 

ただ、骨折がなくても、腓骨々頭部の強い打撲によって、腓骨頭の後ろから前へ回り込むように走行している総腓骨神経が断裂してしまう例などがあります。

 

一般的に、腓骨神経の圧迫や絞扼性の症状の場合、その原因を除去すると改善できるものですが、腓骨神経が断裂すると、非可逆性の症状なので、改善は期待できなくなります。

最近の医学書を見ると、腓骨神経の縫合術が紹介されていますが、まだまだ実施例が少なく、弁護士としての経験でも、今まで見たことがありません。

 

腓骨神経は足関節と足指を支配しているので、腓骨神経断裂になるとは、自力で足首や足趾を曲げられなくなります。

足関節は、下垂足(drop foot)の状態となるので、自力で背屈できなくなります。下垂足とは、足指と足首が下に垂れた状態で、医学用語では、「内反先足による下垂足」と言います。

 

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下垂足になると、靴下をうまく履けませんし、靴も履きにくくなります。 靴下や靴を履くときには、その都度座って、片手で足を支える必要があります。

また、車を運転するときにも、症状のある方の足でアクセルやブレーキを踏むことができなくなりますし、スリッパやサンダルも、歩いているうちに脱げてしまいます。

走ることもできず、正座もできず、和式トイレの使用も当然にできません。

右下腿をしっかり保持できないので、常時、杖や片松葉の使用が必須の状態となります。

 

深刻なのは、右下腿部の疼痛と筋拘縮が起こった場合です。

右下腿部には常に痺れたような重だるい疼痛が持続しますし、痛みと腓骨神経麻痺による血流障害が発生して、下腿全体の筋肉が拘縮ないし萎縮してしまいます。

放置すれば、右下腿は廃用性萎縮状態となって、スカートもはけなくなります。

このような状態を防止するためには、生涯にわたる下腿部のリハビリ治療が必要となり、常に、整体やマッサージによって筋肉を揉みほぐさなければならない状態になります。

 

2.治療方法

腓骨神経麻痺になった場合、下垂足のままでは歩くことも困難となり、日常生活を送るのにも非常に不便となるので、足首を固定するために「距踵関節固定術」(外科手術)を実施します。

交通事故の後遺障害等級は、手術に関係なく、足関節の用廃によって87号、足趾の用廃によって915号となり、併合7級が認定されます。

 

3.腓骨神経麻痺における後遺障害のポイント

 

3-1.交通事故直後の対応が重要

交通事故で腓骨神経麻痺となった場合、早期に発見して対応することが重要です。

というのも、専門医でない場合、整形外科医であっても、正確に腓骨神経麻痺に対処できないことがあるためです。単純に、正座をしたときの足のしびれのようなものだと受け止められてしまうケースもあります。

本来ならば、交通事故における受傷後2か月以内に腓骨神経麻痺の可能性に気づき、丁寧に神経伝達速度検査を実施することによって症状を立証しなければなりません。

時間が経過すればするほど、交通事故との因果関係が疑われて、後遺障害等級認定が困難になります。

 

交通事故に遭われたなら、なるべくお早めに弁護士までご相談下さい。

 

3-2.立証のために必要な検査

腓骨神経麻痺を証明するためには、以下の検査が有用です。

  • 筋電図検査や神経伝達速度検査によって、脱神経所見を証明

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         神経伝達速度検査を測定するポイント

 

膝下部の腓骨神経麻痺の場合には、上記の①と②のポイントに電気を流し、足先にある短趾伸筋を収縮させます。そして、それぞれのポイントから、どれくらいのスピードで刺激が伝わっているのか、また刺激が伝わるまでどれくらいの時間がかかるのかを調査します。

麻痺レベルについては、健側と患側を比較して判別し、前脛骨筋・長母趾伸筋・長趾伸筋・腓骨筋・長母趾屈筋・長趾屈筋の左右の徒手筋力テストを実施して、その数値をカルテに記載します。

 

なお、この点に関連して、神経麻痺の場合、足関節および足指の背底屈について、「他動値」は正常でも、「自動値」ではまったく動かないことがあります。

自賠責の調査事務所では、関節の機能障害について、基本的には医師が手を添えて測定する「他動値」を基準として後遺障害等級を認定しているので、「自動値」を後遺障害診断書に記載するときには、「本件では神経麻痺のため、自動値で計測を行った」ことを記しておく必要があります。

このようにして、適切に立証を行うことにより、ようやく後遺障害7級相当と認められます。

 

 

3-3.腓骨神経麻痺は、比較的多い症状

坐骨、脛骨・腓骨の3つの神経麻痺を比べると、交通事故によって坐骨神経や脛骨神経が断裂する完全麻痺になるパターンは珍しいと言えますが、腓骨神経麻痺(断裂によるもの)は比較的起こりやすいです。

交通事故で腓骨神経麻痺となった場合には、適切に症状に気づき、検査を実施して後遺障害認定を受ける必要があります。

ところが、先に述べた通り、この傷病名も知らない整形外科医がたくさんおられるので、被害者が指摘しないと主治医が気付いてくれないことがあります。

ポイントを押さえておかないと、足指の用廃によって915号が認められることすら難しくなってしまいます。

 

福岡で交通事故に遭われた場合、弁護士がサポートいたしますので、お気軽にご相談ください。

 

 

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