後遺障害事例

肘関節脱臼 (ちゅうかんせつだっきゅう)

1.はじめに

 肘関節脱臼は、肩関節脱臼の次に発症する外傷性の脱臼です。

 交通事故では、二輪車を運転中、転倒した際に手を伸ばした状態で手をついたりすることで関節に圧力がかかり、肘関節脱臼が発症することがあります。

 

2.肘関節脱臼の位置関係

 まずは、下記の写真をご覧ください。

       166-1

  この写真を見ると、素人目にも、尺骨が後方に飛び出していることが分かります。

  イメージしやすいように、イラスト図も見てみましょう。

       166-2

 肘関節脱臼の大部分のケースは、このイラスト図のように、尺骨が上腕骨の後ろに抜ける後方脱臼となります。後方脱臼になると、強い痛みが発生し、ひじの曲げ伸ばしをすることができなくなります。

 

 これに対し、交通事故によって前方脱臼が発症することもあります。

 後方脱臼は、ひじを伸ばした状態で手をついたときに発症することが多いのですが、前方脱臼は、ひじを曲げた状態でひじをぶつけたときに発症することが多いといわれています。前方脱臼になると、上腕骨の先端が飛び出し、肘頭骨折を合併することがほとんどだといわれています。

 脱臼した際に骨折を合併してしまうと、動揺関節(関節が不安定となり、異常な動きをしてしまう状態のこと)や可動域制限などの後遺障害を残すケースが多いことから、注意が必要です。

 

3.肘関節脱臼の治療

 肘関節脱臼の治療は、まずは徒手整復(手で関節のズレを治すこと。下記イラスト図をご参照ください)を行って転位(骨が本来の位置からずれること)を整復します。その後、ひじ関節を90°に曲げた状態で、3週間程度、三角巾やスプリント材で固定します。大抵のケースでは、後遺障害を残すことなく治癒します。

          166-3

 これに対し、ひじ関節の脱臼だけでなく、内・外側副靭帯の損傷、橈骨頭骨折、尺骨鉤状突起骨折、上腕骨内上顆骨折、上腕骨小頭骨折、上腕動脈損傷、尺骨神経麻痺等を合併するケースでは、手術適用となります。手術適用になるケースでは、ひじに動揺関節や可動域制限を残すこともあります。

 

4.後遺障害等級

 肘関節を脱臼しても、ほとんどのケースでは後遺障害を残すことなく治癒します。

 ただし、ひじに動揺関節や可動域制限を残すケースでは、第126号に該当する場合もあります。

 

6.最後に

 交通事故によって外傷を負った場合には、症状を適切に把握して、発現した症状に応じた後遺障害の等級認定を得なければなりません。後遺障害の申請には医学的な知識やそれに基づいた立証が重要になってきますので、後遺障害の申請をお考えの方は弁護士相談をご検討ください。

 アジア総合法律事務所では、福岡のみならず、九州、全国からご相談やご依頼を受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。

 

 

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