後遺障害事例

眼窩底破裂骨折 (がんかていはれつこっせつ)

人間の眼球は、頭蓋骨(ずがいこつ)の中の窪(くぼ)んでいる部分に収まっています。この眼球が入り込んでいる窪み(くぼみ)のことを、「眼窩(がんか)」といいます。

眼窩(がんか)の下側を骨折することを、「眼窩底破裂骨折(がんかていはれつこっせつ)」といいます。眼窩底破裂骨折(がんかていはれつこっせつ)は、「吹き抜け(ふきぬけ)骨折」とも呼ばれます。

交通事故のケースでは、事故によって顔面を強く打撲したときに、眼窩底(がんかてい)を骨折することが多いといわれています。特に、自転車やバイクの運転者、歩行者に生じることが多いといわれています。

 

 

(1)眼窩(がんか)の構造

人間の眼窩は、7つの骨で構成されています。頬骨(きょうこつ)、上顎骨(じょうがくこつ)、涙骨(るいこつ)、篩骨(しこつ)、前頭骨(ぜんとうこつ)、口蓋骨(こうがいこつ)、蝶形骨(ちょうけいこつ)です。

眼窩の上部は「前頭骨」で形成されており、下部は「上顎骨(じょうがくこつ)」によって形成されています。

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前頭骨と上顎骨は強度があるため、骨折しにくい部位だといわれています。これに対して、篩骨(しこつ)は厚みが非常に薄く、軽い衝撃によって容易に骨折してしまいます。

眼窩の中には、眼球・視神経)・外眼筋・涙腺などの付属器神経や、血管、脂肪などが収納されています。これらを「眼窩内容物」といいます。

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眼窩の上側と下側には、小さな穴があります、上部の穴を「眼窩上孔(がんかじょうこう)」といい、下部の穴を「眼窩下孔(がんかかこう)」といいます。

 

 

(2)症状

眼窩底(がんかてい)を骨折すると、眼球周辺部に痛みを感じます。眼球内の出血が鼻腔(びくう)から排出されて、鼻出血を生じることがあります。

眼窩底破裂骨折(がんかていはれつこっせつ)の症状は、非常に多くの種類があります。眼球の運動障害、複視、 視野障害、眼球陥凹(がんきゅうかんおう)、瞼裂狭小化(けんれつきょうしょうか)、球後血腫(きゅうごしゅっけつ)、眼球内陥(がんきゅうないかん)、眼窩下神経領域(がんかかしんけいりょういき)の知覚障害や感覚障害などです。

    複視(ふくし)とは、対象物が二重にぶれて見える症状のことです。

    眼球陥凹(がんきゅうかんおう)とは、眼球が正常な位置よりも沈んだ状態のことです。

    瞼裂狭小化(けんれつきょうしょうか)とは、まぶたが下がって目の幅が狭くなることです。

    感覚障害とは、頬(ほほ)から上口唇にかけて痺れ(しびれ)を感じることです。

球後出血(きゅうごしゅっけつ)とは、骨折によって血管が損傷して血が溜まることです。球後出血を発症すると、眼球や視神経や血管が圧迫されて、視力障害をもたらすことがあります。

眼球内陥(がんきゅうないかん)とは、骨折が広い範囲におよぶ場合に、眼球が眼窩の中に沈み込むことです。「眼球陥入(がんきゅうかんにゅう)」や「眼球陥没(がんきゅうかんぼつ)」と呼ばれることもあります。

以上のように様々な症状がありますが、これらは密接に関連しています。

たとえば、眼窩底(がんかてい)を破裂骨折すると、眼球を支えている土台がなくなり、眼球が沈みます(眼球陥凹)。眼球が沈むことによって、眼球のバランスが崩れて、目の幅が狭くなります(瞼裂狭小化)。眼球のバランスが崩れたために、対象物にピントを合わせることができなくなり、ものが二重にぶれて見えるようになります(複視)。

このように、眼窩底破裂骨折(がんかていはれつこっせつ)の症状は、どれも密接に関連しています。

骨折の態様によっては、眼球の上転障害(じょうてんしょうがい)が生じることがあります。上転障害とは、上を見ようとしても眼球が上側に動かないという症状です。下の写真を見てください。黄色の丸で囲った部分が、眼球の上転障害です。

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合併症としては、脳震盪(のうしんとう)、脳挫傷(のうざしょう)、眼窩下神経障害(がんかかしんけいしょうがい)などを発症するおそれがあります。

 

 

(3)診断

眼窩底破裂骨折(がんかていはれつこっせつ)は、脳神経外科での検査が必要となります。

眼窩底破裂骨折の検査は、XP(レントゲン)、CT(スキャン)、MRI(エムアールアイ)によって行います。どのような検査が必要となるかは、被害者の症状によって異なります。

眼窩(がんか)の内側壁(ないそくへき)を骨折している場合は、CT(スキャン)が有効です。眼球陥凹(がんきゅうかんおう)の疑いがある場合は、頭部の3DCT(立体スキャン)が有効です。頭部に外傷を受けている場合は、これらの検査に加えてMRI撮影を行うことが有効となります。

このように、どのような検査を行うかは、被害者の症状に即して臨機応変に判断しなければいけません。症状に即した医学的資料があれば、後遺障害を申請する際に有用な証拠となります。

XP(レントゲン)、CT(スキャン)、MRIのいずれが有用な証拠となるかは、被害者の症状によって異なります。お手元の検査資料が証拠として十分であるかどうか分からないという方は、当事務所までご相談ください。

 

 

(4)治療

眼窩底破裂骨折の治療は、整復手術(せいふくしゅじゅつ)によって行います。整復(せいふく)とは、正常な位置からずれてしまった骨を元の位置に戻すことです。

骨折がごく軽度である場合は、手術を行わずに経過観察をします。経過観察となるケースは、多くありません。ほとんどの場合は、手術が必要となります。手術が必要となるケースは、下記のどちらかに該当する場合です。

 

①眼窩(がんか)の軟部組織や眼球周囲の筋肉が、骨折した部分に挟まっており、複視が生じているケース

②眼球が眼窩内に陥入(かんにゅう)しているケース

 

(5)後遺障害

眼窩底破裂骨折は重症なケースであるため、ほとんどの場合に後遺症が生じます。後遺症としては、複視や醜状障害(しゅうじょうしょうがい)が代表的です。

 

①複視

交通事故によって眼窩底破裂骨折を発症した場合は、手術が成功したとしても、多くの場合に後遺症として複視が残ります。複視とは、対象物が二重にぼやけて見える症状のことです。            251-3

複視には、2種類あります。「正面視での複視と「左右上下での複視」です。どちらの種類なのかによって、後遺障害の等級が決まります。

         無題

正面視での複視は、深刻な頭痛や眩暈(めまい)の原因となります。このため、日常生活や業務に著しい支障をきたすものとして、後遺障害等級10級2号の対象となります。

左右上下での複視は、軽度の頭痛や眼精疲労(がんせいひろう)の原因となりますが、正面視の複視ほどの大きな支障はありません。このような症状は、後遺障害等級13級2号の対象となります。

複視の検査は、ヘスコオルジメーター(ヘススクリーンテスト)によって行われます。複像表のパターンによって、複視かどうかの診断を行います。

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                ヘスコオルジメーター

 

②醜状障害(しゅうじょうしょうがい)

醜状障害とは、人目につく場所に傷あと等が残り、交通事故の前と比べて外見が変わってしまった状態のことです。

眼窩底破裂骨折(がんかていはれつこっせつ)によって、顔面に傷あとが残った場合は、醜状障害として後遺障害を申請することができます。

眼球周辺に10円銅貨よりも大きい傷あとが残った場合は、後遺障害等級12級に認定される可能性があります。線状の傷あとの場合は、傷あとが3センチ以上であれば、後遺障害等級12級に認定される可能性があります。

傷あとに限らず、外見上に目立つ特徴が残った場合は、醜状障害として後遺障害を申請することができます。

たとえば、眼窩底破裂骨折を原因としてよだれが止まらなくなった場合や、頬から上口唇周辺にかけて痺れが残った場合などは、醜状障害に認定される可能性があります。

ただし、このような醜状障害を後遺障害として申請するには、難易度の高い立証が必要となります。たとえば、よだれが止まらないことを示すビデオや写真を撮影して、3DCT(3Dスキャン)によって変形性骨癒合を立証し、さらに医師による顔面知覚検査を後遺障害の資料として提出するなど、被害者の症状に応じて適切な資料を精査しなければいけません。

 

 

眼窩底破裂骨折(がんかていはれつこっせつ)による醜状障害を後遺障害として申請する場合は、被害者の症状を専門的に分析して適切な資料を準備しなければいけません。専門的で難易度が高い手続きとなりますので、交通事故に精通した弁護士にご依頼されることをお勧めいたします。

当事務所では、日頃から交通事故の解決に力を入れており、福岡をはじめとして九州各地からたくさんの方々にご相談に来ていただいております。交通事故のご相談は初回は無料で受け付けておりますので、眼窩底破裂骨折(がんかていはれつこっせつ)でお悩みの方は、ご予算を気にすることなくお気軽にご相談ください。

 

当事務所には、年間約200件にのぼる交通事故・後遺障害のご相談が寄せられます。
多くは福岡県内の方ですが、県外からのご相談者もいらっしゃいます。

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