後遺障害事例

椎骨脳底動脈血行不全症 (ついこつのうていどうみゃくけっこうふぜんしょう)

1.椎骨脳底動脈血行不全症とは

 交通事故が原因で、椎骨脳底動脈血行不全症という傷病になる方がおられます。
 これは、頸椎捻挫(むちうち)になったときなどに、強い耳鳴りや難聴、眩暈などの症状が現れるものです。

 

 椎骨動脈とは、鎖骨下動脈から分かれて、第6頚椎から第1頚椎の横突孔を通って頭蓋内に入り、内耳や小脳、脳幹などの平衡感覚や聴覚に関係する部分に血液を供給している動脈です。交通事故によって椎骨動脈が直接損傷を受けたり周囲から圧迫されたりしたときや、動脈壁にある血管の収縮や拡張を調整する頚部交感神経が損傷を受けたとき、血行障害が発生したときに、耳鳴りや難聴、眩暈などの症状が発生します。
 椎骨脳底動脈血行不全症は、本来的には椎骨動脈の造影検査において狭窄や圧迫を確認したときにその診断名をつけるものです。ただ、臨床の場面においては、交通事故の被害者が眩暈や悪心、嘔吐、目のかすみや上肢の痺れなどの症状を訴えていて、首を回したり伸ばしたりしたときに、特に症状が強くなるケースにおいて、この傷病名がつけられることもあります。
 椎骨動脈の血行障害は、動脈硬化によって血管が狭窄したり血栓によって血管閉塞したりしたときにも発生します。これらの症状の軽度のものは、先に交通事故の後遺障害としてご紹介した「バレ・リュー症候群」の交感神経異常です。
 交通事故によって椎骨脳底動脈血行不全症となるのは、頚椎椎体が骨挫傷した場合や、横突起、棘突起が骨折した場合など、頚部に相当大きな損傷を受けたケースです。一般的な頚部捻挫では、椎骨脳底動脈血行不全症にはならないことがほとんどです

2.検査方法と治療方法

 椎骨脳底動脈血行不全症に典型的な症状が出ているとき、「椎骨動脈造影検査」をすると、動脈が部分的に細くなって造影剤が見えない部分を確認できることがあります。これにより、この傷病が発生していると診断できます

 椎骨脳底動脈血行不全症の患者に対しては、脳神経外科と血管外科の専門医が協力して診断や治療を進めます。

 治療方法としては血行改善剤の投与や神経ブロック療法を行いますが、重症の場合には横突孔の開放術(外科手術)も検討するケースがあります。

 参考までに、過去に弁護士が経験した交通事故の被害者で、椎骨脳底動脈血行不全症になったある方は、ニコリン、アデホス、ノイロトロピン、メチコバールという薬剤の投与を受けていましたが、途中でニコリンをルシドリールという薬に変えました。一定の効果はあったようですが、全快はしなかった事例です。

3.椎骨脳底血行不全症で認定される後遺障害

 交通事故で椎骨脳底動脈血行不全症となった場合、「失調・めまい、平衡機能障害」として、症状の程度に応じて3級、5級、7級、9級、12級、14級の後遺障害が認定される可能性があります。

 ただし、自賠責保険において、これらの後遺障害が認められるためには、失調やめまい、めまいや平衡機能障害などの症状が、「頭部外傷を原因としていること」が必要とされています。この問題については、次の後遺障害のポイントの項目で詳しく説明します。

 また、失調やめまい、平衡機能障害は、先天性の異常や動脈硬化による血管腔の狭小化、変形性頚椎症の骨棘による圧迫などによっても起こるので、それらとの区別も必要となります。

 また、交通事故でこのような症状が出る場合、多くは交感神経の異常にもとづくバレ・リュー症候群であることが多数であり、椎骨脳底動脈血行不全症の件数は少ないです。

4.椎骨脳底動脈血行不全症における後遺障害のポイント

4-1.椎骨脳底動脈血行不全症の立証と認定される等級

 椎骨脳底動脈血行不全症の後遺障害を立証するときには、神経内科において「椎骨動脈造影検査」を実施します。これによって椎骨動脈の血流低下が認められれば、その後耳鼻科で失調やめまい、平衡機能障害についての検査を受けて、症状の程度を調べます。そして症状の程度に応じて後遺障害認定を受けます。

 認定されるのは、「失調・眩暈及び平衡機能障害」の後遺障害です。具体的な後遺障害の内容と等級は、以下の通りです。

  

4-2.後遺障害非該当になる可能性について

 自賠責保険の後遺障害認定基準によると、失調、眩暈、平衡機能障害で後遺障害として認定されるのは、「頭部外傷」によってこれらの症状が発生したときです。
 一方で、椎骨脳底動脈血行不全症の原因は「頚部外傷」です。すると、後遺障害認定基準から外れることとなります。
 「頸部外傷」によってこれらの症状が発症しているときに後遺障害等級認定を申請すると、自賠責の本部において協議されますが、場合によっては「非該当(後遺障害として認めない)」になることもあります。

 そのような場合には、裁判などの手段によって等級認定を得られる可能性があります。

 

 

 

交通事故が原因で頸椎を損傷したときには、むちうち以外にもいろいろな症状が出る可能性があります。中でも、頸椎脳底動脈血行不全症になった場合には、後遺障害認定を得るために工夫や知識を要します。
アジア総合法律事務所では、福岡を中心として、九州、全国の交通事故に対応しておりますので、頸椎捻挫によって不快な症状が発生しており、後遺障害認定を受けるときには、お気軽に弁護士までご相談下さい。

当事務所には、年間約200件にのぼる交通事故・後遺障害のご相談が寄せられます。
多くは福岡県内の方ですが、県外からのご相談者もいらっしゃいます。

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