後遺障害事例

鎖骨骨折(さこつ こっせつ)

鎖骨の骨折は、交通事故の外傷としてむちうちに次いで多発している症状です。

多くの場合、事故の際に転倒して手や肩などを打撲したときに、その衝撃が鎖骨に伝わることによって、骨折が発生します。シートベルトの圧迫によって、鎖骨を骨折することもあります。

鎖骨骨折には、「遠位端(えんいたん)骨折」「肩鎖関節(けんさかんせつ)脱臼」「胸鎖関節(きょうさかんせつ)脱臼」などの種類があります。

 

 

(1)骨折の部位

 

鎖骨は、肩から首にかけて横に広がっています。肩関節に近い部分は脆い(もろい)構造をしており、鎖骨骨折の約80%はこの部分に発生しています。

肩関節に近い部分の鎖骨を骨折することを、「遠位端骨折(えんいたんこっせつ)」と呼びます。

 

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その次に多いのは、「肩鎖関節(けんさかんせつ)」の骨折です。

肩鎖関節を骨折すると、鎖骨は上方にずれた状態となります。

 

 

(2)治療

 

鎖骨を骨折すると、多くの場合は保存療法によって治療を行います。保存療法とは「手術などを行わず、リハビリなどによって治療をするという方法」です。鎖骨骨折の場合は、手術が行われることはめったにありません

固定による保存療法では、クラビクルバンドを装着して、肩の周りを固定します。

胸を張り、肩をできる限り後上方に引くようにしてバンドを装着します。

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                   クラビクルバンド

 

一般的には、約4~6週間ほど固定すると骨折部が癒合(ゆごう)します。

 

 

(3)後遺障害

 

骨折した部位が変形したまま固定された場合は、「鎖骨に著しい変形を残すもの」として後遺障害等級12級5号に該当する可能性があります。

後遺障害等級12級5号に該当するかどうかの審査では、「骨折部に運動痛(うんどうつう)があるか」が重要なポイントになります。

痛みがあるかどうかは、客観的な証拠によって審査されます。被害者の方が「痛い」と言うだけでは不十分です。痛みを立証するための医学的な証拠が必要となります。

このため、被害者の方がご自身で後遺障害等級の申請をしようとしても、「痛いと言っているだけでは不十分です」と言われて、悔しい思いをすることがあります。鎖骨骨折による後遺障害の認定には、症状に即した客観的な証拠が必要です。

痛みを立証するための証拠としては、骨折した部位のCT(スキャン)や3D撮影などが考えられます。ただし、必要な資料は個人の症状によって異なります。どのような資料をそろえるべきか分からないという方は、お気軽に当事務所までご相談ください

 

 

(4)遠位端(えんいたん)骨折の後遺障害

 

遠位端(えんいたん)を骨折して変形が残った場合、肩関節の可動域が制限されることがあります。このような場合、「肩関節の機能障害」として後遺障害を申請することができます。

機能障害を申請する際には、骨折部位の変形をCT(スキャン)や3Dで立証しなければいけません。左右の可動域を比較して、その差が4分の3以下であると認められれば、後遺障害等級12級6号が認定されます。

なお、交通事故の後遺障害では、「2種類の後遺障害が認定された場合、併合して等級が繰り上げられることがある」というルールがあります。

鎖骨骨折についても、このルールが適用されます。「肩関節の機能障害」によって後遺障害等級12級6号が認定され、さらに「鎖骨の変形」によって12級5号が認定された場合は、併合等級として11級が認定されます。

 

 

(5)可動域の審査

 

肩関節に機能障害があるかどうかは、どのように審査されるのでしょうか?

肩関節には、主要な運動が3種類あります。

「屈曲(くっきょく)」「外転(がいてん)」「内転(ないてん)」です。

 

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肩関節の機能障害は、「屈曲と、外転か内転のいずれか一方」を対象として審査されます。屈曲は必ず審査の対象となるので、最も重要な指標です。

屈曲や外転、内転の角度を計測したうえで、下記の図表に照らし合わせることにより、後遺障害等級が決定されます。

 

無題

 

 

正常な状態に比べて関節の動きが2分の1以下に制限されているときは、「肩関節の機能に著しい障害を残すもの」として、後遺障害等級10級10号が認定されます。

正常な状態に比べて関節の動きが4分の3以下に制限されているときは、「肩関節の機能に障害を残すもの」として後遺障害等級12級6号が認定されます。

 

 

 

 後遺障害の申請には医学的な知識やそれに基づいた立証が重要になってきますので後遺障害の申請をお考えの方は弁護士に相談ください。

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